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「おじさん臭さ」の正体は? 加齢臭

古本のような、梅雨時の地下室のようなにおい。

古本のような、梅雨時の地下室のようなにおい。それぞれの世代には、その世代特有のにおいがあります。赤ちゃんには甘酸っぱいにおいがありますし、思春期には大人になりかかった身体が発する独特のにおいがあるものです。

においに対する快・不快には個人差があるものの、どちらかといえばあまり歓迎されないにおいもあります。その一つが、いわゆるおじさん臭さではないでしょうか。

古本のような、梅雨時の地下室のような、押入に入れてあった古い背広のような、昔のポマードのような、ろうそくのような、きゅうりのような……と、さまざまに形容されるこのにおいのことを加齢臭と呼んでいます。

40代あたりから加齢臭は目立ち始めるのですが、どちらかといえば女性よりも男性のほうが強いにおいを漂わせがち。「夫の下着は、洗ってもにおいが消えない」という経験をお持ちの方もおいでのことでしょう。

中高年世代が最も気にするにおいは口臭だといわれていますが、この加齢臭はその次にランクされているというアンケート結果もあります。加齢臭とは、どのようなものなのでしょうか。

においの正体は脂肪酸の酸化や分解

加齢臭の存在を化学的に解明したのは、ある化粧品メーカーの製品開発センターです。20代から70代までの男女のポロシャツに付着した成分を分析したところ、男女ともに40歳を過ぎた年代のポロシャツから、特有の体臭成分が検出されたのです。

中高年のポロシャツから検出されたのは、ノネナールという不飽和アルデヒド(有機化合物)の一種です。このノネナールは若い人たちの体臭からはほとんど検出されないことから、いわゆるおじさん臭さの原因であると特定されました。

どうして年を重ねるにつれて、こうした体臭成分が多くなるのでしょうか。その理由は、どうやら皮脂中の脂肪の性質が中高年になるにつれて変わってくることによるようです。中高年の皮脂には、若い人たちにはほとんど存在しない脂肪酸である9―ヘキサデセン酸が増加してきます。また、中高年になると皮脂中に過酸化脂質の量が多くなり、酸化分解反応が進みやすい状態になってきます。

このような状態の皮膚に9―ヘキサデセン酸が分泌されると、たやすく酸化分解されるだけでなく、皮膚に棲んでいる常住菌によっても分解され、体臭成分であるノネナールが発生してくるというわけなのです。

においの正体は脂肪酸の酸化や分解私たちの皮膚には、エクリン腺、アポクリン腺という2つの汗腺があります。この2つの汗腺から出た汗をそのままにしておくと、皮脂や皮膚表面の汚れと混じ り合い、さらに汗の水分が温床となって細菌が増殖し、汗の分解が始まって体臭を発生します。もともと、米や魚、野菜などを主食とする日本人の体臭は弱かったのですが、食生活の欧米化とともに強くなりつつあります。

においの正体は脂肪酸の酸化や分解ノネナールと似た物質には、レモンやライムなどの精油中に含まれるフローラル様のかぐわしい香りや、クローバーやブナ、お茶の葉、タラの芽などに含まれる青葉の香りなどがありますが、ほんの少し分子構造が異なるだけで、においというものは微妙に変化してしまうのです。

加齢臭が、女性よりも男性のほうに強く発生するのは、もともと男性のほうが皮脂の分泌量が多いことが第一の原因と思われます。また、同じスーツを何日も着ていたり、お酒を飲んで帰って入浴をしなかったりなど、日常生活のパターンが、やや不潔傾向に傾いている可能性も否定できません。

加齢臭を消すためのさまざまな製品が市販されていますが、これらの製品は抗酸化成分や抗菌成分、香料などがミックスされたものです。つまり、皮膚上での消臭を目的としています。それでは、体内でこうしたにおいを元から断ち切る方法はないのでしょうか?

においの正体は脂肪酸の酸化や分解

皮膚の清潔も大事だが、体内環境の清潔も重要。

皮膚の清潔も大事だが、体内環境の清潔も重要。各世代には特有のにおいがあると最初に記しましたが、もともと、汗や皮脂そのものに、においがあるわけではありません。汗や皮脂が皮膚の汚れと混じり、皮膚表面に棲む細菌(常住菌)が汗の水分を温床にして増殖し、これらを分解することによって、においが生まれます。これが汗の蒸発とともに体臭として鼻に達することになるのです。

私たちの皮膚には、数えきれないぐらいの常住菌が棲み付いています。清潔志向の高まりとともに、強力な殺菌を歌い文句にしたボディシャンプーや石鹸が発売されて人気を呼んでいますが、常住菌は私たちの体内に有害菌が侵入しないための門番のような存在でもあります。つまり、極端に殺菌してしまうと、こうした大切な役割が失われてしまうことになります。

もちろん、汗をかいたらシャワーや入浴をこまめにして、皮膚表面でこうしたにおいが発生しないように清潔に保つことはとても大切なことですが、その前に体内環境を整えて、においの元を発生させないことにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。

たとえば疲れがたまって体調が落ちたとき、体臭が強くなったと感じることはありませんか?お酒を飲み過ぎた翌日、いくら入浴しても、体臭がいつもより気になるという経験をお持ちの方も多いことでしょう。体臭というのは、いつも一定ではなく、そのときどきの生活にも大きく左右されるのです。その鍵を握っているのが、体内で発生する悪臭物質です。

悪臭物質のことを理解していただきやすいように、便の話をしましょう。おっぱいやミルクだけを飲んでいるときの赤ちゃんの便は、不快なにおいがまったくありませんが、離乳期に入ってさまざまなものを口にするようになると、大人の便のようなにおいになってきます。また、肉を食べる機会の多い人は、野菜をたくさん食べる人に比べて、便のにおいが強くなっています。便のにおいはその人の生活を表すバロメーターでもあるのです。

便のにおいと体臭とは一見何の関係もなさそうですが、実は腸内で発生した悪臭物質は腸の血管から吸収され、血液の中にも流れ込んでいるのです。この悪臭物質が血液の流れとともに全身を駆けめぐり、汗腺や皮脂腺から出たものが体臭ということになります。ついでに、肺に達して呼気から出たものが口臭です。

体調が落ちたり、ストレスがたまったり、暴飲暴食をすると体臭や口臭が強くなるのは、私たちの身体を正常に保つために働いている免疫力が低下し、腸内の環境が乱れてしまったことが一因といえます。つまり、腸内で悪臭物質が生まれやすい状態になってしまっているのです。

こうした体内環境の悪化からくる体臭を防ぐためには、食生活に注意するとともに、免疫力を落とさないための生活を心がけることがなにより大切になります。

皮膚の清潔も大事だが、体内環境の清潔も重要。

上のグラフは、1日に摂取するエネルギー(カロリー)のうち、各栄養素がどれぐらいの割合を占めているのかを年代別に表したものです。日本人の食生活が米と野菜中心であった1955年には脂質の量はわずか8.7%でしたが、1999年には26.5%にも増えています。こうした脂質の増加は、皮脂の量を増やすだけでなく、腸内環境にも影響を与えて、悪臭物質を生み出す原因ともなります。

身体の中から悪臭物質を除去しよう。

加齢臭に話を戻しましょう。

一般的な体臭発生のメカニズムや、腸内で発生する悪臭物質のことを記してきたのは、加齢臭だけが特別な体臭というわけではないことをお伝えしたかったからです。加齢臭という名前がついていようとも、においが出るメカニズムは、ごく一般的な体臭と同じです。ということは、日常生活を見直すことで改善できる可能性があるということです。

まず、加齢臭の原因の一つとされている皮脂中の過酸化脂質を減らすために心がけたいことは、文字どおり、脂質の酸化を防ぐことです。動物性の脂っこいものをとりすぎないようにするとともに、酸化を促す活性酸素を体内でできる限り発生させないようにして、さらに不必要な活性酸素を消去することが重要になります。

そのためには、活性酸素を発生させる原因となるお酒の飲み過ぎを控え、禁煙を心がけ、ストレスを解消し、規則正しい生活をするようにしましょう。また、年とともに活性酸素を消去する物質が体内で不足してきますので、スカベンジャーと呼ばれる抗酸化物質(緑の葉に多く含まれる)を積極的に体内に取り入れ、活性酸素を消去することも大切です。活性酸素対策は、免疫力の向上にもつながります。

悪臭物質を生み出す温床となる腸内環境を正常に整えるために、食物繊維を含む野菜をたっぷりと食べることも体臭予防には効果的。下を参考にして、身体の中と外から加齢臭を除去する生活を実践してみましょう。

身体の中から悪臭物質を除去しよう。

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