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タイプ別運動法 “私”にぴったりの運動を探そう

健康のために運動が必要なことは、だれもが十分に承知していても、いざ始めようとすると、どのような運動を、どれくらいの強度で、何分くらいしたらよいのか、なかなかわかりにくいもの。やせたいあなた、ちょっと糖尿病気味のあなた、そして骨粗鬆症を予防したいと思っているあなた。そんな一人一人にぴったりの運動がきっとあるはずです。運動で快適に体質改善をしましょう!

Type01:なんとか痩せたい

30分以上の持続運動で体脂肪を落とし、筋力をつける。

元国立栄養研究所の鈴木慎次郎先生が行った実験をご紹介しましょう。肥満に悩む中高年9人を2つのグループに分け、片方は運動せずに1日に1000kcalの食事、もう片方は1日1650kcalの食事をする代わりに余分の650kcalを運動で消費することにしました。650kcalに相当する運動とは、午前と午後に1時間ずつランニングをする程度です。

さて、1か月後にどのような結果が出たと思いますか?どちらのグループも、平均して4.5kgのダイエットに成功しましたが、その内容に大きな差が現れたのです。運動をしたグループは、落ちた体重の91%が体脂肪であったのに対し、運動をしなかったグループは50%が体脂肪で、残りの50%は筋肉や血液、内臓などの主成分であるたんぱく質が損失していたのです。これではいくら体重が落ちても、体力は低下してしまいます。

理想的なダイエットとは、体脂肪だけを落として、なおかつ筋肉をつけることです。筋肉は脂肪を燃やす工場のようなものですから、運動で筋肉をしっかりつけておけば、リバウンドしにくい体質になります。具体的には、速歩き、水泳、ジョギング、自転車のように長い時間続けられる運動を、できれば毎日30分以上すること。脂肪は運動を始めて20分ぐらいたつとようやく燃え始めますから、休み休みでは効果はありません。そのうえで、ダンベル体操やチューブ体操など、器具を使って筋肉に負荷をかける運動をすればいうことなし。負荷をかけると、筋肉は育っていきます。

Type02:心臓病を予防したい

70~80%の心拍数を維持できる有酸素運動を15分以上。

電車に乗ろうとして駅の階段を駆け上がったのはいいけれど、呼吸はハーハー、心臓はドキドキ。これは、急な運動でたくさん使われた酸素を補給しようと、肺や心臓がフル回転しているために起きる現象です。元に戻るまでにしばらくかかった……という経験をお持ちの方は、ぜひ適正な運動をスタートしてください。

運動をしたときに心臓が適応する能力は、年齢が高くなるにつれて低下してきます。つまり、激しい運動をしたとき、20代であれば心臓は1分間に最大で200回も拍動する能力がありますが、65歳以上になると最大でも153回しか拍動できません。この能力を高めるために必要なのが、日頃からの運動なのです。

心肺機能を高めるのにふさわしい運動は有酸素運動です。つまり、歩いたり、かるく走ったり、泳いだりといった運動。70%~85%の心拍数を維持しながら、少なくとも15分以上は続けてください。効果を急ぐあまり、最大心拍数に達するような運動を急にすると、血圧が上昇して危険です。

【年齢別心拍数と運動強度基準】

年齢(年) 最大心拍数(/分) 85%心拍数(/分) 70%心拍数(/分)
20~29 200 170 140
30~34 194 165 136
35~39 188 160 132
40~44 182 155 127
45~49 176 150 123
50~54 171 145 120
55~59 165 140 116
60~64 159 135 111
65~ 153 130 107

【有酸素運動を続けていると、心肺機能が向上して成人病予防に。】
ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、エアロビクスダンスなど長い時間をかけて多くの酸素を消費する運動を有酸素運動といいます。
心臓が能力を発揮するためには、エネルギーを必要とします。運動不足や動物性脂肪のとりすぎなどで、エネルギーの運び役である冠動脈が硬化を起こすと、狭心症や心筋梗塞などの誘因になりますが、有酸素運動を続けていると、心臓や肺の活動が活発化して心拍数や呼吸数が多くなり、しだいに身体が順応して、心肺機能が高まっていきます。つまり、心臓が1回に送り出す血液量が増え、肺が1呼吸でとり入れる酸素量が増えてくるというわけ。これが有酸素運動の効用です。このほか、血中コレステロール量が減って血管の機能が向上する、血行がよくなる、血圧が低下する、防衛体力がつくなど、有酸素運動の効果ははかりしれません。

Type03:腰痛に悩まされている

体操で腹筋、背筋を鍛え、散歩ででん筋を鍛える。

腰痛に悩まされている人に共通していえることは、運動不足からくる筋力の低下です。人間の身体は重い上半身を骨盤で支えていますので、とくに骨盤周辺の筋力が落ちると、筋肉が体重を分散して担うことができなくなり、これが腰痛の原因になってしまいます。

一度でも腰痛の経験がある方は、繰り返し腰痛を起こさないために、筋力の強化を最優先課題と考えて生活するようにしましょう。運動の中心は、腹筋、背筋を強化する体操です。下のイラストを参照して、1日1回、無理をしない程度に続けてみてください。なお、でん筋(お尻の筋肉)は、立っているときにお尻をぎゅっとしめる、歩くときもお尻を片方ずつしめるなどの動作で強化できます。

腰痛に悩まされている

Type04:糖尿病と診断された

最大酸素摂取量50%の運動を、できれば毎日続ける。

糖尿病の人は、医師から運動の必要性を説明されるのが普通です。食事療法ももちろん大切なことですが、それに勝るとも劣らないのが運動による治療効果で、運動をまったくしない人と、適度な運度を続けている人を比べると、その差は歴然だといいます。
医師が糖尿尿患者に運動をすすめるのは、運動によって血液中のブドウ糖が消費されるためです。血中のブドウ糖が少しでも減れば、少ない量のインシュリンでも血中のブドウ糖を一定に保つことができるようになります。

それでは、どの程度の運動が適切かというと、最大酸素摂取量50%程度の運動を毎日あるいは1日おきに30~40分続けることです。下のグラフからもわかるように、最大酸素摂取量20%程度のかるい運動ではインシュリンは安静時と同じぐらいの量が分泌されていますが、50%の運動をすると急激に減っていきます。これは、運動によって血中のブドウ糖が減ったという証拠です。70%の激しい運動をしても、50%の運動とほとんど同じ結果しか得られませんので、がんばりすぎても意味がありません。

糖尿病と診断された

40歳以上の人の10%が糖尿病であり、そのうちの90%が自覚症状のない潜在的糖尿病患者だともいわれていますので、現在のところまったく自覚症状がなくても、予防のために適度な運動を続けることをおすすめします。なお、最大酸素摂取量50%の運動については、左のコラムを参照してください。

【運動で糖代謝が改善される】
最大酸素摂取量とは、全力を使って運動をしているときに、身体が最大限にとり込める酸素の量のことです。これは自分で簡単に測定できませんので、目安を知っておくとよいでしょう。
ウォーキングの場合は、多少息が上がってきても、会話を無理なく楽しめる程度のスピードが、だいたい50%。
ジョギングは、1kmを7~8分ぐらいのスピードで走ると、ほぼ50%に相当します。
水泳なら、全力を使った泳ぎではなく、ゆっくりと遠泳をするようなつもりで。平泳ぎやバタフライは骨盤にかかる負担が大きいので、腰痛気味の方は背泳やクロールがおすすめです。
サイクリングは、時速10kmぐらいのゆっくりしたスピードで、できれば多少上り下りのあるコースを走りましょう。毎日あるいは1日おきに、少なくとも15分、できれば30~60分ぐらい続けると、運動効果が上がります。

Type05:ちょっと高血圧気味

週に30kmのジョギングで善玉コレステロールが増える。

ちょっと高血圧気味高血圧の人は動脈硬化が進展しやすいということを存じでしょうか。血圧が高いということは、動脈壁にかかる圧力が異常に高いということですから、このときに血液中にコレステロールや 中性脂肪が多いと、血管の内膜に粥状に付着し、血管の老化を促すことになってしまいます。こうして動脈硬化が進むと血管の内径が狭くなり、弾力も失われて、さらに高血圧を助長するという悪循環になりかねません。また、肥満も高血圧をさらに悪化させますし、ストレスも血圧をアップさせる原因となります。

こうしたことを一挙に解決する手段が運動です。国立栄養研究所のデータによると、運動を続けていると、総コレステロール量はさほど変化がなくても、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを排除する善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増えるという結果が出ています。

どの程度の運動をすれば善玉コレステロールが増えるのかというと、1週間に30kmぐらいのジョギングをすると効果が現れるとのこと。1日に換算すれば4kmちょっとということになります。もし、ジョギングが無理なら、速歩きをやや多めにすれば同じ効果が期待できます。

おもしろいことに、週に60km走っても、90km走っても、善玉コレステロールの増え方は30km走とほとんど変わりませんので、一挙に高血圧からの脱却をめざして過度な運動をしても、害にこそなれ益にはなりません。

Type06:「骨を丈夫にしたい」

骨の長軸方向に負荷がかかる運動を週3回各1時間。

ちょっと高血圧気味骨粗鬆症は女性に多い病気です。男性は平均して70代に入ってから症状が出るのに対し、女性は50代の後半から増えてきます。これは、骨粗鬆症が閉経と密接な関係にあるためです。

右のグラフからもわかるように、閉経を迎えるとエストロゲンという女性ホルモンが激減しますが、それと同時に骨の密度も急激に少なくなっていきます。

妊娠というカルシウムを大量に消費する活動をしなくてもよくなったため、「骨にカルシウムをストックしておかなくてもいいですよ」という指令が下されるためです。このまま放置しておいたら骨がすかすかになってしまいますので、食べものからカルシウムを補給する一方、運動を行ってカルシウムをしっかりと骨に吸着させるようにしましょう。

骨粗鬆症の予防に効果があるのは、骨に負荷がかかるような運動です。とくに骨の長軸方向に力がかかる運動が、骨密度を高めるためにはおすすめ。立って行うウォーキングやジョギング、エアロビクスダンスなどが効果的です。なお、1週間に1度3時間やるよりも、1時間ずつ週3回行ったほうが効果が上がります。

骨粗鬆症のこわさは、ちょっとつまずいただけで骨折したり、その骨折がもとで寝たきりになってしまうことです。とくに高齢になってくると、わずかな段差でもつまずきやすくなりますから、足の筋力を落とさないようにすることも大切。日頃から歩く機会を増やすようにしましょう。

Type07:運動不足を解消したい

オフィスの階段上りや、駅と駅の間の散歩でも十分。

運動不足を解消したい運動不足がもたらす病気はたくさんあります。欧米でマネージャー病といわれているのが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患。1日中デスクワークを続けている人に多い病気です。さらに、糖尿病、動脈硬化、高脂血症、高血圧なども運動不足との関連が深く、これらはまとめて「運動不足病」とも呼ばれています。

漠然と運動不足を感じている方は、まず日常生活の中でできる運動から始めてみるとよいのではないでしょうか。もっとも簡単で誰にでもできるのが、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段をできるだけ利用するという方法です。

初めは1階分だけ、しだいに身体が慣れてきたら2階分、3階分というように、段階的に行うことが大切。段階をアップさせるめどは、1~2週間。最初から意欲満々に10階まで上がろうなどと考えると挫折しがちなので、ステップバイステップの精神が大切です。

同様にして、1つ手前の駅で下車して歩くのも、お金のかからない運動術。とはいえ、足に合わない靴やハイヒールではかえって膝や腰に負担をかけてしまいますから、ウォーキングシューズを1足購入してはいかがでしょう。

Type08:低貧血で困っている

下半身の筋肉を鍛えると、心臓へ戻る血流が増える。

低貧血で困っている研究者によって多少の差がありますが、一般的には最大血圧が100mmHg以下、最小血圧が60mmHg以下の人を低血圧症といいます。成人のうち約5%が低血圧症であるとの報告もあり、疲れやすい、めまがする、手足が冷える、脈拍が少ないなどの症状があります。

ほとんどは体質的なもので、やせた虚弱な人に多いようです。朝、起きるのがつらいようなら、布団の中で手足を伸ばしたり縮めたりといったかるい運動をすると、血行がよくなり、気分がよくなるという人もいます。やや活動的ではない人が多いので、運動で体力をつけることも有効です。

とはいえ、血圧が低いと立ち上がったときなどに下半身に多量の血液がプールされて心臓に戻る血液量が減り、さらに心臓から送り出される血液量も減って立ちくらみや貧血を起こすことがありますので、ウォーミングアップなしの運動は危険です。まず、かるい体操で血行を促してから運動をするようにしましょう。

体力をつけるために効果的なのは、下肢の筋肉を鍛えるような運動。足は第2の心臓ともいわれ、筋肉を動かすことによって末端から心臓へ向けての血流を促す働きがあります。足の筋肉は歩いただけでは強化できませんので、できればスポーツジムでマシーンを使ってのトレーニングが望ましいところです。
足の筋肉が強化され、さらにできるだけ歩くような生活を心がければ、血行が促されてきっと楽になるはず。

Type09:更年期障害がつらい

ゲーム性のあるスポーツに参加して仲間作りを。

個人差はありますが、50歳の前後それぞれ5年間ぐらいを更年期と呼んでいます。ホルモンを支配する中枢機能の乱れが自律神経にも影響を及ぼすため、この時期にはのぼせ、発汗、冷え、動悸、肩こり、腰痛、疲労感、倦怠感などさまざまな症状が現れます。

家に閉じこもっているより、思いきって外に出て身体を動かすことで症状が軽減されるケースもあります。運動の種類としては、ゴルフやテニス、バレーボールなどのようにゲーム性があり、続けることによって達成感が得られるものがふさわしいようです。

ゲームを楽しむことによって仲間とのつながりが深まり、精神的にも解放感が得られるのがこうしたゲームのメリット。なかには更年期の頃から登山を始め、一生の趣味にした人もいます。

ただし、この時期は、高血圧、心臓病、ガン、糖尿病などの成人病が発症しやすい年代ですから、更年期の不快な症状と決めつけないで、信頼のおける病院で全身の検査を受けた上で運動を始めたほうが安心です。疲れやすい時期でもありますから、過度な運動は避け、心地よいと感じる程度にとどめることも大切です。

【運動中の水分はこまめに補給。脱水症状になると危険な状態に。】
運動中の水分はこまめに補給。脱水症状になると危険な状態に。人間は体重の65%が水分で、安静にしているときでも多量の水分を排泄しています。ことに運動中は、上昇した体温を下げるために発汗作用が高まるので、水分の補給は欠かせません。
身体の水分の3%が失われると運動能力が低下し、5%を越えると熱疲労が激しくなり、7%では幻覚症状が現れ、10%では危険な状態になってしまいます。脱水症状を防ぐためには、こまめに水分を補給することが大切です。
補給する水分は、もちろん水で十分ですが、3時間を越える運動の場合には、栄養やミネラルの補給も同時にできるスポーツドリンクのほうがよいでしょう。

Type10:筋肉質の身体になりたい

器具を使ってステップバイステップでレベルアップ。

筋肉質の身体になりたい腹筋や背筋は、Type3の体操をするだけでも十分に鍛えられますが、もう一歩進んでしっかりとした筋肉質の身体を作りたい人は、器具の力を借りる必要があります。筋肉は、ある程度の負荷をかけないと、育っていかないからです。

一般に、運動の効果が現れるのは3か月後、6か月後というように、時間を要します。その間、運動のレベルを少しずつアップさせながら、長く続けることがこの種の運動の必要条件。ダンベルやチューブを使えば、自宅で手軽に筋肉作りを行うことができます。

運動のポイントは、数回しかできないような無理な負荷をかけるのではなく、やっと15回ぐらいできる程度の負荷にとどめること。30回ぐらいまでできるようになったら、そこで負荷を上げるようにします。ダンベルなら重いものに、チューブなら張力の強いものに代えることで、運動の強度はしだいにレベルアッ プしていきます。

筋肉を鍛えると、基礎代謝が高まって太りにくい体質になってきます。また、骨を支えて腰痛を防いだり、ヘモグロビンの合成を促して貧血を改善したり、骨粗鬆症、高脂血症、動脈硬化、糖尿病などの成人病を予防するなど、数えきれないほどの利点があります。

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