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映像で見る 血液サラサラ

今まで見ることができなかった「生きた血液画像」

健康診断の血液データは、健康状態を推定するための大事な判断材料になります。たとえば赤血球数というのは、血液を自動血球計測器にかけて1立方ミリメートル中に含まれる赤血球の数を算定するというもの。この数値が標準値よりも低ければ、貧血が疑われます。
 しかし、このような血液検査の最大の欠点は、あくまでも数の多少しかわからないということです。赤血球や白血球そのものの質が良いか悪いかということは、従来の血液検査ではまったくわかりませんでした。

最近注目を集めている血液栄養分析は、特殊な顕微鏡により、血液を生きた状態のまま見ることができるという画期的なもの。これによって、血球の質がわかるようになったのです。

ドロドロ血液の正体は、くっつき合った赤血球だった。

血液栄養分析は、左手中指の先からほんの1滴の血液をとり、その場で顕微鏡によって拡大して観察するという手法です。15~20分ぐらいの間、血液は生きていますので、赤血球や白血球などの状態を、体内にあるときとほとんど同じ状態で見ることができます。

下の写真をご覧ください。2枚の写真は、いずれも赤血球を顕微鏡で見たものです。しかし、ずいぶん形が違っていますね。左の写真では、赤血球が大きくきれいな丸い形をして1個ずつばらばらに離れています。これが理想的なサラサラ血液の姿です。

一方、右の写真では、赤血球がまるで座布団を積み重ねたようにくっつき合い、形もゆがみ、大きさも上の写真よりずっと小さい状態です。これが、実はドロ ドロ血液の正体なのです。  赤血球にはたくさんの役目がありますが、そのうち最も重要なのは体の隅々にまで酸素を運ぶという仕事です。新鮮な酸素を60兆個もの細胞に運び、活動に よって生じた老廃物を回収するという地道な作業がスムーズに行われないと、細胞は酸素不足に陥り、必要な働きができなくなってしまいます。

サラサラ血液 ドロドロ血液
サラサラ血液

理想的な形の赤血球の写真です。サラサラと血流がよいということは、赤血球のひとつひとつがバラバラに離れ、きれいな丸い形をしていることが大前提です。

ドロドロ血液

赤血球が座布団を重ねたようにくっつき合って大きな固まりを作っています。末端の酸素不足をもたらすだけでなく、動脈硬化が進んでいれば血栓を作りやすくなります。

赤血球がきれいな丸い形をしていれ ば、酸素を運搬する能力は高くなりますが、ゆがんだりくっつき合っていると、それだけ酸素を運ぶ能力は低くなります。しかも、赤血球の直径は約8ミクロン で、毛細血管の直径は5~6ミクロンですから、赤血球は形を細長く変形させて細い毛細血管を通過するという離れ業を演じているのです。くっつき合った赤血球では、当然のことながら、このように変形する能力も極めて低くなってしまいます。その結果、大切な臓器は酸素不足に陥ってしまうのです。

従来の血液検査では、赤血球の数が標準値に達していれば健康だと判断されたのですが、健康を管理する上で本当に知らなければいけないのは、赤血球そのものが2枚の写真のようにバラバラになっているのか、くっつき合っているのかという情報です。

たとえ血液検査で正常値であっても、それだけで安心できないということがおわかりいただけたでしょうか。ドロドロ血液になる可能性は、現代人なら誰にでもあることなのです。

ドロドロ血液の正体は、くっつき合った赤血球だった。

食生活の違いで、血液はドロドロにもサラサラにもなる。

日本人の食生活は、戦後、大きく変化しました。それまでの穀類や魚、野菜、海草、豆などを主体にした生活から、肉や卵、乳製品などの占める比率が大きくな り、脂質の摂取量はますます多くなっています。ちなみに、全摂取カロリーに占める割合ですが、25年前の日本人は、脂肪が22%だったのですが、現在では 27%に増え、適正値である25%をすでにオーバーしています。

こうした食生活の変化は、血液にも大きな影響を及ぼしています。皆さんよくご存じなのが、コレステロール値の上昇ではないでしょうか。血中コレステロー ル値や中性脂肪値が高くなると、動脈硬化や高血圧を促し、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病の大きな原因になります。

食生活の影響は赤血球にも現れます。私たちが食べた食事は腸壁から吸収され、分解されて血液中にとり込まれるのですが、脂肪分が多い食事をとると、それまでバラバラに離れていた正常な赤血球が、写真のように、とたんにくっつき合ってしまうことがわかっています。食事内容による血液の変化は、食後しばらくすると現れてきます。ちなみに、昼食後に眠くなる原因の一つは、くっつきあったドロドロ血液による脳の酸素不足だともいわれています。

鉄分不足の赤血球 飲酒後の赤血球 尿酸結晶
鉄分不足の赤血球

ドーナツ状をしている赤血球は、鉄分不足の証拠。赤血球の中心には、酸素を運ぶ主役であるヘモグロビンがあるのですが、鉄分が不足するとヘモグロビン量が減ってしまいます。

飲酒後の赤血球

本来は丸い形をしている赤血球が、お酒の影響で花びらのような形に変形しています。お酒を飲むと、私たちの体の中では、こうした異常事態が起きているのです。

尿酸結晶

尿酸は水に溶けにくいという性質があり、血液中の尿酸値が高くなると結晶化し、これが関節部に付着すると痛風を引き起こします。尿酸値アップの原因は栄養過剰とお酒です。

また、鉄が足りない食事を続けていると、右上の写真のように、赤血球の形が扁平になり、中央部がドーナツ状に落ちくぼんだ形になってしまいます。鉄 の不足で、血色素であるヘモグロビンが作られなくなってしまうためです。こういう状態の赤血球も、酸素の運搬能力が低くなります。

右中の写真は、お酒を飲んだ後の赤血球の姿です。本来なら丸くなっている赤血球が、まるで花びらのような形に変化しています。これは活性酸素によって変形したためで、飲酒だけでなく、タバコやストレス、農薬、食品添加物などによっても、同じような変形を見せます。

血液中に異物が入り込むこともあります。右下の写真は、痛風の原因になる尿酸結晶です。このとがった結晶が関節に付着して痛みを引き起こすのです。喫煙者の血液にはタールが入り込んでいることも珍しくありません。

血液をサラサラにするための第一歩は、よく噛むこと。

今まで、赤血球を中心にミクロの世界を見てきましたが、食事を含めた日常生活の影響は白血球にも現れます。白血球は免疫機能を司る細胞で、この働きが活発であるなら免疫力が高まりますし、不活発になると免疫力は低下してしまいます。
従来の血液検査では、その数のみに着目した検査が行われてきたのですが、問題は大きさと動きです。下の2枚の写真はいずれも白血球ですが、大きさや形が かなり異なっています。左の写真の白血球を実際に顕微鏡で見ると、異物を処理するために活発に動いている姿を観察することができます。

元気な白血球 元気のない白血球
元気な白血球

アメーバ状のものが白血球です。赤血球よりもずっと形が大きく、細菌やウイルスなどの異物を発見すると敵に近づき、白血球内に異物を取り込むことで発病を防いでくれます。

元気のない白血球

元気な白血球の写真と比べると、白血球の大きさが格段に小さくなっています。このような白血球では、いくら数が標準値であっても、異物を処理する能力(免疫力)はぐんと落ちます。

さあ、赤血球と白血球の理想の姿がわかったところで、いよいよ血液をサラサラに保つ具体論に入ることにしましょう。 そのポイントは、なによりも食生活にあります。まず、誰でも今すぐに実行できる最も簡単な方法は、よく噛むことです。噛むということは、私たちができる唯 一の消化行為で、飲み込んで胃の中に入ってしまえば、あとは体まかせで、いっさい手を出すことはできません。

なぜ、噛むことが血液サラサラにとって必要なのかというと、赤血球がくっつき合う大きな原因が、未消化のまま血液中に取り込まれた脂肪や炭水化物にあるからです。これらのものが糊のような役割を果たして、赤血球がくっつき合ってしまうのです。

よく噛むということは、唾液中のアミラーゼによって炭水化物を分解することとイコールです。噛むことは食事マナーであるだけでなく、血液のためにも必要 欠くべからざることなのです。昔から、食事のしつけとして、一口に30回噛みなさいと指導されてきましたが、実は噛むことにはこうした血液サラサラ作用が あったわけです。

食事内容では、脂っこいものをできる範囲内で控えるように心がけることが大切です。緑黄色野菜、果物、海草などを積極的にメニューに取り入れ、鉄分のような微量栄養素が不足しないように心がけるようにしましょう。

さらに、血液中の水分が少なくなることでもドロドロ状態は起きますので、脱水状態にならないように、水を適宜飲むことも大切です。喉が乾いたと感じたときには、すでに体は脱水状態になっていますので、喉の渇きに関わりなく、意識的に水を飲むようにするとよいでしょう。

血液をサラサラに保つには、まず、よく噛むことが大事。1口の食事で、少なくとも30回は噛むようにすることが大切です。
血液サラサラに不可欠なのかというと、未消化の炭水化物が血液中に入り込むことを避けるためです。
よく噛まないと、未消化の炭水化物が血液中にとり込まれ、まるで糊のように赤血球をくっつけて固まり状態にしてしまいます。

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